生まれてから高校生になるまで、私にはいろいろな「将来の夢」がありました。でも、世の中を知らなかった「いままで」と、多少は現実を知った高校生の「今」では、考え方も大きく違います。昔のような自由な夢はもう見られません。この頃の私は「現実的な将来の夢」がはっきりとしなくて、なかなか進路も決められませんでした。
そんな時に心の病にかかり、知り、支えてくれる人たちの優しさに触れるうち、いつの間にか「カウンセラーになりたい」と思うようになっていました。
となれば、目指すのは心理学科のある大学です。
…とはいってもこの頃の本音は「しっかり休みたい」でした。心の健康を少しでも取り戻すまで静かに療養したい…最悪、そのために必要なのであれば入院や留年したってかまわないくらいの気持ちでした。少しでも調子を取り戻してから勉学に励み、大学を目指したい…。もちろんそんなことを親が許すはずがないのですが。
私が通っていた高校は、いわゆる「進学校」であり、進学せずに就職する生徒の割合は10%にも満たなかったと記憶しています。私の頭にも、就職するという選択肢はありませんでした。一番の理由は、病気です。こんなものを抱えて就職なんてできるはずがないと思っていました。
カウンセラーになるための勉強をしながら、大学で4年も過ごしていれば、その間に少しは病気だって治っていくだろう――そんな風に思っていたことを思い出します。
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