高校3年生時代⑪-片翼の鳥

この幻想に意味なんてものはありません。

ただ、私は例えるならこんなものかなあ、と…

ただ自分を嘲笑い、哀れんでいた、ただそれだけのものなのです。

心の病によって、今までできていたことも難しくなっていく。みんなが難なくできることも、私だけができなくなる。明るい未来に向かってみんなが羽ばたいていっても、自分だけが飛び立てずに取り残される――

「みんなに置いていかれる」という恐怖は、これまでにも何度も抱きました。たとえば、私は壊滅的に運動ができない運動音痴なのですが…

小学生の頃、バスケットボールをゴールに入れる練習をする授業がありました。ゴールにいれたら次の別の練習へ進み、入れられなければ何度も並びなおして入れられるまで動けない、そういう練習でした。私は当然いつまでも入れることができず、たった一人でゴールの前に取り残され、いつまでもゴールに向かってボールを投げ続けていました。

「みんなはできるのに」「自分だけできない」強烈な劣等感。

あの頃からすでに自分の中には、片翼の鳥が住み着いていたのかもしれません。

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